―この度、4月から放送となるTVアニメ「このヒーラー、めんどくさい」と「ヒーラー・ガール」が“ヒーラー”繋がりということで、エイプリルフールである4/1にコラボビジュアルが公開されました。
今回は、そのコラボ記念としまして、両作品でそれぞれ主演を務めておられる、「このヒーラー、めんどくさい」カーラ役の大西亜玖璃さんと、「ヒーラー・ガール」藤井かな役の礒部花凜さんによる対談取材を行わせていただきたいと思います。よろしくお願いします!
礒部&大西 よろしくお願いします(笑)
―ではまずはじめに、今回のエイプリルフールコラボイラストをご覧になった感想をお聞かせください。
礒部 かなが、随分と「このヒーラー、めんどくさい」方に乗せられてしまっているなって(笑)。
大西 そうですよね(笑)。
礒部 でもかなは、おっちょこちょいというか、ノリよくこういうポーズをやってくれそうな気がします。
―大西さんはいかがですか?
大西 本当の意味での癒し対決だったら、カーラは圧倒的に負けると思います。でもイラストにあるような武術や物理的な対決だったら勝ってしまいそうだなって(笑)。カーラは主人公のアルヴィン以外とは、仲良くできる子なので、最初はかなちゃんをライバル視して、敵対心をむき出しにしますが、最後には意気投合しそうな気がします。
―“ヒーラー対決”というコンセプトのビジュアルですが、意外にもキャラクター性はそこまで外していないんですね(笑)それではつづいて、それぞれの作品内容を改めて簡単に紹介して頂けますでしょうか。
大西 「このヒーラー、めんどくさい」は、一言で言うと、ギャグアニメです。私の演じるカーラと、佐藤拓也さんの演じるアルヴィンの二人が繰り広げる、ポンコツな冒険物語です。
―RPG風というよりは、コメディ作品なんですね。
大西 そうですね 熱い冒険物語を期待して観られてしまうと、おそらくびっくりされてしまうかもしれません(笑)。カーラも見た目はすごく可愛らしいのですが、中身はちょっとへんてこりんなところがあり、ヒーラーといっても全然癒しませんし、むしろ心にダメージを与えてしまうような子です。
―「ヒーラー・ガール」はいかがでしょうか。
礒部 私たちの方は、正統派のヒーラーですね。
全員 (笑)。
礒部 でもRPG的な魔法を使うヒーラーではなくて、“ヒーリング”と呼ばれている、歌で患者を癒す音声医学というものがありまして、それを扱う“ヒーラー”になるために頑張っていく女の子たちを描いています。一言で表すと、歌を通して癒しをお届けする作品です。
―礒部さんが参加されている「ヒーラーガールズ」というユニットが「ヒーラー・ガール」のメインキャストなんですよね。
礒部 はい、約一年前くらいから「ヒーラーガールズ」として主に有名なアニソンのコーラスカバーをしていまして、その4人のメンバー(礒部花凜、熊田茜音、堀内まり菜、吉武千颯)で、アニメもメインキャストを務めさせて頂いています。
―そして、今回の取材に際して、事前にお互いの作品をご覧頂きました。ぜひそちらの感想をお伺いできればと思います。まずは大西さん、「ヒーラー・ガール」をご覧になってみていかがでしたでしょうか。
大西 「ヒーラー・ガール」は、冒頭から男の子のケガを治していて、すごく王道だなって(笑)。「このヒーラー、めんどくさい」に慣れてしまっていましたけど、これこそがヒーラーだと思いました。それにセリフを歌うようにミュージカル調に演じていたのが、すごく印象に残りました。あの歌はどのように収録されたんですか?
礒部 セリフっぽい部分はアフレコ現場で歌って録っていました。“ヒーラー”として歌う場面は、別に時間を取って、収録したものですね。
大西 わー、そうなんですね。私はそういった歌うようなアフレコ経験がまだなくて、ミュージカルも見に行ったことがないので、とても新鮮でした。また、女の子たちがみんな可愛くて、私も可愛い女の子が出るアニメが好きなので、本当に癒されたい人は、「ヒーラー・ガール」を観るべきだと思いました!
礒部 癒し対決なのに、いいんですか(笑)。
大西 はい、こちらの癒しは物理攻撃だと思っていますので(笑)。
―作中で気になったキャラクターはいましたか?
大西 (矢薙)ソニアちゃんが気になりました。カーラと同じ白髪キャラなんです。それにちょっとツンデレっぽいところとか似ていて。
礒部 白髪キャラって、ツンデレキャラになりやすいんですかね?
大西 でもカーラは、ツンはあってもデレはほぼないんです(笑)。ソニアちゃんはちゃんと可愛いツンデレで、とてもよかったです。
―礒部さんの演じる、かなの印象はいかがでしたか?
大西 「可愛い」です! 天真爛漫で、本当に元気で、才能はありつつもちゃんと努力をしていく王道の主人公感がありますよね。完璧な誰もが憧れるヒロインって感じではなく、足りないところは玲美ちゃんや響ちゃんが支えてくれながらも、自分もしっかりと努力して“ヒーラー”になろうと頑張るところがよかったです。視聴者のみなさんも、かなちゃんの目線に立って感情移入しやすいし、夢を持って頑張っている人は、とても勇気づけられる子だと思います。
―患者を癒す、“ヒーリング”のシーンについてはいかがでしたか?
大西 映像と歌が壮大で、視聴者の方も本当に癒されるんじゃないかと思いました。歌もリアルタイムで歌っているように演出されていたのが印象的で、“ヒーラー”が歌で作り出すイメージ空間もすごかったです。
礒部 ありがとうございます! まだ放送前で、感想を直に頂くのが初めてだったので、今とても嬉しいです。
―つづいて礒部さん、「このヒーラー、めんどくさい」のご感想をお聞かせください。
礒部 アニメって集中して観たり、気軽なBGM感覚で流したりと、色々な楽しみ方があると思っているんです。この作品はそんな色々な楽しみ方がある中で、カジュアルな気持ちで、好きなタイミングで観られるタイプの作品だと思いました。内容がすごくわかりやすくて、さっと観ても面白いし、ギャグが面白くてずっと飽きずに観られる感じが、とても自分好みでした。
大西 ありがとうございます。
礒部 実は今回の企画を頂いたときに、こんな同クールに「ヒーラー」被りをして大丈夫かなって心配だったんです。でも観てみたら想像していたものとは全然違ったので、「こういうヒーラーもいるんだ」って、すごく新鮮な気持ちで観られました。
―気になった登場人物や面白かったギャグはありますか?
礒部 モンスターのサイクロプスがお気に入りです。大きいのに優しいところがとてもよくて、可愛いかったです。ギャグシーンだと、第2話のゴブリンとのやりとりが好きです。そのシーンでのカーラとゴブリンのやりとりがとても面白くて(笑)。ぜひ実際に観て笑って欲しいシーンです。そのほかのギャグも面白かったんですけど、ずっとボケとツッコミを繰り返していくので、あの独特のテンポを面白く演じるのはすごいなって、思いながら観ていました。
大西 アフレコは、かなり絵が出来上がった状態で演技できたので、間のとり方はイメージしやすかったところはありますね。
―ギャグアニメだと、アフレコで笑うのを我慢するのは大変なのでしょうか?
大西 そうですね。本番前のテストで、アルヴィン役の佐藤拓也さんが、台本にないツッコミをされた時に、思わず笑ってしまって、セリフが言えないなんてことはありました(笑)。
―そんな大西さんが演じる、カーラの印象はいかがでしたか?
礒部 可愛いけど、掴みどころのない感じですよね。忖度なく、思ったことを口にするキャラで。私は「わがままな妹と、それに振り回されつつも優しく面倒を見てくれる兄」という関係がすごく好きで、カーラとアルヴィンは兄弟ではないですけど、それに近い関係値があったので、すごく自分の趣味に刺さりました。
―大西さんはカーラをどのように演じられたのでしょうか。
大西 確かに演じる前は、どこか掴みどころがないというか、無表情で毒を吐いているので、どういう気持で演じればいいのかわかりませんでした。でも、本当に素直に自由に生きているんだと理解できた後は、素直な気持ちで演じるようになりましたね。それにカーラは見た目がすごく可愛いし、動きがギャグっぽいところも一周まわって愛おしくなってきていて、今ではとても好きなキャラクターです。
―本当に、カーラは動きも面白いですよね。エイプリルフールイラストも、まさにこんなポーズ取りそうです。
大西 本人はすごくイケてると思ってやっていると思います。そんな自分に自信があるところも好きですね。エンディングテーマを聞いて頂ければわかるんですが、すごく自己評価が高くて。そこは自分も見習ったほうがいいかなと思うこともあります。
―続けて、今回の癒し対決ということに絡めて、お二人が癒される瞬間というのを伺えればと思います。
礒部 私は、頭のスイッチをオフにすることですね。どんなに忙しいときでも何も考えない時間を作って、自分の好きなことだけをするんです。お風呂にゆっくり入ったり、好きなものを食べたりとか。その時間がとても癒される瞬間です。
大西 すごくわかります。私もよくぼーっとすることがあるので。欲望のままにポテチやチョコを食べながらアニメを観ています。それでいうと私は、「ヒーラー・ガール」を観たことが、最近の癒しでしたね。
礒部 わー、嬉しいです。私もアニメを観るのが癒しのひとつになっています。
大西 さきほども話しましたけど、可愛い女の子が出るアニメが大好きなので、そういう作品を観るとすごく癒されます。それに「このヒーラー、めんどくさい」を観て、笑うことも、大事な癒しだなって思います。
―笑うことは、体にもいいと聞きますよね。次はオープニング・エンディング主題歌についてです。2作品とも、おふたりがそれぞれアーティストやキャラクターとして歌われているということで、取材にあたって事前に互いの楽曲を聞いて頂きましたので、そちらの感想を伺えればと思います。まずは礒部さんからお願いします。
礒部 「このヒーラー、めんどくさい」オープニングの『ジェリーフィッシュな君へ』は、「これからアニメが始まるぞ」って、ワクワクする感じがすごいですよね。エンディングの『HERO in Healer』は、想像していたよりも明るい感じで、「次の話もすぐに観たいな」って気持ちにさせてくれる曲でした。
大西 確かに両方ハチャメチャな感じの楽曲なんです。オープニングは私名義の曲なんですけど、曲調はとても元気な感じで、歌詞は普通の女の子が恋愛に悩んでいる様子が書かれています。なのですごく「このヒーラー、めんどくさい」に結びついてる曲というわけではないんですが、歌詞に作品とリンクするような単語も入っているのが、個人的にお気に入りです。カーラは、ウインクが下手なんですけど、歌詞にも「ウインク」が入っていたりするので、そういったカーラの表情や性格と歌詞がリンクしているところは、聴いていて楽しんでもらえるんじゃないかと思います。エンディングは、カーラとして歌っているので、彼女の気持ちになって、楽しくのびのびと歌わせてもらいました。内容もカーラが自画自賛する内容を歌っているので、作中よりかはテンション高めに、周りのアルヴィンとキノコのツッコミは全く聞こえていない体で歌っています。
―続けて「ヒーラー・ガール」の楽曲のご感想を伺えればと思います。
大西 やっぱり、私たちの作品とは大違いだなって(笑)。第1話のオープニングの流れるタイミングがすごく良くて、そこでぐっと引き込まれる方は多いと思います。
礒部 「ヒーラー・ガール」の世界の扉が開いたって感じがしますよね。
大西 そうなんです。それに映像も優美で壮大で、空を飛んでいるシーンで服がたなびく感じがすごく綺麗で、とても惹かれました。カーラもオープニングで空を飛んでいるけれど、こんな爽やかな感じではないので(笑)。エンディングも落ち着いた感じでしっとりしていて、本編の癒し空間と繋がっている印象を受けて、作品の一部として歌が馴染んでいるなって思いました。
礒部 オープニングの『Feel You, Heal You』は、先に2nd Albumで『~sêrênité~』というコーラスバージョンで歌わせて頂いていて、ユニットにとって初めてのオリジナル楽曲ということもあって、大切に歌ってきたものなんです。それがアニメバージョンで、オーケストラが入り、アレンジも変わったりと、すごく豪華になっていて、音楽の力をより感じるサウンドになっていると思いました。収録したときは、大草原の中に立って、風の流れとか、運んでくる匂いをイメージしながら歌ったんですが、それがオープニング映像とすごくリンクしていて、ヒーラーのイメージ空間に入ったような印象を受けました。
―ここまで癒し対決ということで、対談頂きましたが、最後にファンのみなさまにメッセージをお願いします。
礒部 癒しという言葉には、怪我を治すということだけではなくて、大きなくくりで元気を貰う、前向きな気持ちになる、背中を押してもらうなど、いろんな意味も含まれていると思っています。「ヒーラー・ガール」には、そんな癒しをみなさんに寄り添いながら届けられる作品だと思っています。なので、「一緒にゆっくり歩こう」くらいの気持ちで、ゆったり暖かく観てもらえれば嬉しいです。
大西 今回の企画で「このヒーラー、めんどくさい」を知ってくださった方がいましたら、ありがとうございます。でも「ヒーラー・ガール」ファンの方が観たらびっくりしてしまうかもしれませんね(笑)。でもそこは新境地を開いたと思って、カーラたちのギャグを楽しんで貰えればと思います。本当にいつでもどの話数から観ても気楽に楽しめる作品になっていますので。笑って癒されたいときや、ちょっとした時間でも楽しんで観て貰えれば嬉しいです。
PROFILE
礒部花凜(いそべ かりん)
奈良県出身。アミューズ所属。
主な出演作は『アイドルマスター シャイニーカラーズ』の月岡恋鐘役、『ぷちセカ』の天馬咲希役、『Just Because!』の夏目美緒役など。
大西亜玖璃(おおにし あぐり)
愛知県出身。リンク・プラン所属。
主な出演作は『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』の上原歩夢役、『まえせつ!』北風ふぶき役、『マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝』土岐すなお役など。